高田郁さんをご存知ですか?2008年、小説家としてデビュー。2012年には北川景子さん主演でテレビドラマにもなった「みおつくし料理帳」の著者です。このシリーズの本は10冊以上になりますが、全部読みました。この度、新シリーズが出版されて読んでいます。いずれも江戸時代の市井の人々を描いた作品です。
「蓮花の契り」は、父親が非業の最後を遂げたのちお寺に拾われた幼い娘が周囲の人々の温情を頂いて真摯に生きる姿を、優しい文体で流れるように書き下ろした作品です。娘は亡骸を洗い清める仕事を通して、死者と遺された人達の心に寄り添いながら成長していくのです。心に沁みるいい作品です。